予定していた場面は、はじめから危なくない
発表会は、誰かが撮ります。舞台には必ず誰かがスマホを向けるので、その映像が失われることはまずありません。危ないのは、その周りのすべてです。始まるまでの待ち時間、車に戻るまでの道、そして、たしかに何も起きていないという理由で誰もスマホを向けない、ふつうの時間。そうした時間にもカメラを向けて、予定していた場面と同じテープに撮り入れてください。ランクづけもハイライト選びもされないので、そのふつうの時間は、みんなが来た目的の瞬間のすぐ隣に、そのままフィルムへ収まります。
本当に撮る価値があるもの
- 晩ごはん。誰もカメラを意識しなくなるところまで、音を回し続けましょう。
- 学校までの道、どこへ行く道でも。実際の歩く速さ、実際の寄り道、誰に向けるでもなく続く実況。
- 車の中。誰も撮ろうとは思いませんが、家族の時間の驚くほど多くが、ここで起きています。
- 何かの最中の誰か。料理、洗濯物たたみ、ながら見のテレビ。レンズのほうは見ていない顔。
- 話の途中のおじいちゃん、おばあちゃん。その場の全員がもう暗唱できる、あの話。終わるのを待たずに、今回はスマホを向けてみてください。
- 本番の前後10分。ロビー、行きの車、帰りの道。誰もそこでスマホを取り出しません。それがまさに問題なのです。
- 部屋そのもの。台所の調理台、廊下、家そのものを、まだそこに住んでいるうちに、ふつうに。
顔は、思っているより覚えていられます。声はそうではありません。だから、画面で大したことが起きていなくても、回し続けてください。多少ごちゃついていたり、光の加減が悪かったりしても、そういう映像は残しておきましょう。あとになって効いてくるのは、たいてい見た目よりも音のほうで、その引き換えについては完璧じゃないホームムービーで読む価値があります。
ここまでは、1日の話でした。それを何か月も続けるのは、別の種類の計画です。最初の数週間を過ぎても続くものについては、子どもの1年を撮るをご覧ください。グループ旅行には、誰も撮らない部分の専用リストが旅行のページにあります。そして、行事ではないのに1日より大きいものもあります。次のセクションがその話です。
行事がなくても、1本のテープに値するもの
こちらで1ページずつ紹介している行事には、どれも日付がついています。試合、旅行、結婚式、誕生日。誰かがそれを計画し、誰かが撮ることを覚えています。日付がついていないのは、あるアパートで過ごす最後の1年、もうすぐなくなる今の顔ぶれの友だちグループ、庭に初めて夏が来た瞬間。そのどれにも始まりを示すものはなく、だからカメラを向けようという合図もありません。
まだ続いているうちの「最後の1年」
ある年が、終わる前から明らかに「最後の年」だとわかることがあります。実家を手放す前の年。子どもが学校に上がり、1週間のリズムがすっかり変わってしまう前の、最後のまるまる1つの夏。ある家族の店が、30年続けてきたその街角で迎える最後の1年。どれもカレンダーには乗りません。指させる1日がなく、ただ何か月もかけてゆっくり終わっていくだけだからです。
見分け方は単純です。あとになって「あの年はまるごと」と過去形で語っている自分がもう想像できるなら、今すぐ始めましょう。引っ越し業者が来る前に大がかりな撮影を1回、ではありません。毎朝まだそこに立っているうちのキッチン。ふつうの火曜日、閉店時間のレジ。家族全員が誰かが家を出る前に、同じテーブルを最後に囲むあの瞬間。
テープに必要なのは名前だけで、理由はいりません。
誰もパーティーを開いてくれない始まり
迎えに行くその瞬間は撮られます。誰もがそのためにスマホを構えます。撮られないのは3週目、子犬がかわいいというより手がかかる存在になり、家のほうがまだその子に慣れていない時期です。空っぽの部屋、家具が届く前、箱にまだガムテープが貼られたままの様子は、1か月後の完成した部屋のために飛ばされがちです。庭の最初の週末は、土とホースがあるだけで、まだ何も緑になっていません。新しい仕事の5週目、それがもうイベントではなく日常になった頃は、玄関での初日よりも、その仕事の実際の姿に近いものです。
こうした始まりは、定義からして地味です。それこそが誰も撮らない理由であり、まさに撮る価値がある理由でもあります。
ゆっくりとしたもの
祖父母とのふつうのビデオ通話。何か特別なことが起きているからではなく、その特有の笑い声をあとで聞きたくなるだろうと、もう感じているから撮る。まだ同じ街に住んでいる友だちグループを、何でもない木曜日に撮る。最初のひとりがどこかへ引っ越して、毎週の集まりが毎週ではなくなる前に。今この瞬間に理由づけするのがいちばん難しいのは、まだ何も問題が起きておらず、何も起きていないからです。
誤解のないように言えば、これは誰かの衰えをコンテンツとして撮ることではありません。むしろ逆です。その人がまだそのままのその人でいるうちに、これといって何もない1日を撮っておくこと。そのなんでもなさこそが、あとになって意味を持つからです。
名前をつければ、それは存在する
どれも、イベントも計画も観客も要りません。テープを始めるのに、行事という理由は要りません。名前だけあればよく、名前をつけることがそのまま儀式のすべてです。「お父さんの火曜日」。「売る前のアパート」。「ブルーノ、最初の1か月」。テープは同時にいくつでも持てるので、子犬のテープと、アパートで過ごす最後の1年が競い合う必要はありませんし、長い時期は2、3本のテープになってもかまいません。
テープに載せるまでの手順
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テープを作って、名前をつける
新しいテープをタップして名前をつければ、もう入れ始められます。何本か作ってかまいません。ふつうの日々のひと区切りごとに、1本ずつどうぞ。
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スマホを横向きに持つ
テープはワイド画面で、縦向きの動画は追加されません。撮り始める前に、まずこれだけ知っておいてください。
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RECをタップしたら、アプリのことは忘れる
RECが入っているあいだ、VideoBroは「写真」を見ています。いつものiPhoneの「カメラ」アプリで撮った横向きの動画は、ひとりでにテープに載ります。撮るためにVideoBroを開く必要はありません。
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すでにあるものを取り込む
すでにスマホにあるもの、テープを作ろうと思う前に撮ったもの、日付はいつのものでも、+をタップすれば取り込めます。最後に付け足されるのではなく、実際に撮影された時刻の位置に入ります。
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組み立ての心配はいりません
クリップは撮った順に再生されるので、ふつうの一週間なら編集はまったく要りません。短いクリップで十分です。テープ1本あたり2時間まで。クリップが短ければ、ずいぶん長く使えます。
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区切りがついたら現像する
テープに参加している人なら誰でも、アカウントさえあれば現像をタップできます。しばらくすると、テープキャビネットに1本のフィルムとして戻ってきます。クリップはテープに残るので、追加もトリミングも続けられます。そのあとテープに何の変化もないまま、30日間が過ぎると、VideoBroからクリップを消します(その前にメールでお知らせしますし、自分のスマホの中の映像には手をつけません)。できあがったフィルムが消えることはありません。
山ではなく、テープに向ける
その日たまたまスマホを持っていた人のところに映像が散らばったままでは、どれもうまくいきません。下のバーの招待をタップし、開いた画面の招待から、その場にいる人にリンクを送りましょう。自分を含めて8人まで、同じテープに撮っていけます。ひとシーズン、ひとつの旅、なんでもないひと月が、ひとりずつのスマホの中のクリップではなく、ひとつの場所になります。みんなで1本のテープのしくみ、そしてサッカーのシーズンも同じやり方でまとまります。その週サイドラインにいた人が、同じテープに足していくだけです。
編集は、わざと控えめにしてあります。トリミングと削除が、道具のすべてです。つまりテープは、台本と音楽があり、順番もばらばらに並べた、数年にわたるナレーションつきの回顧映像にはなりません。葬儀や50回目の結婚記念日で流すようなあのたぐいは、本物の編集作業で、あとから編集者に頼む仕事です。テープがするのは、元の素材を、起きた順に1か所へ集めること。たいてい誰も手をつけないのが、まさにその部分です。
まず聞かれる質問
ふつうの日に、子どもの何を撮ればいいですか
予定された場面のまわりの部分です。音が入ったままの夕食、車の中、学校への道、何かの作業中の誰か、そして行事の前後10分。スマホは横向きに持ち、誰かが撮られていることを意識して見せはじめたあとも回し続けましょう。散らかって見えるからといって、クリップを消さないでください。
行事がないとき、何を撮る価値がありますか
あとで「あの1年まるごと」と呼ぶ姿が、今すでに思い浮かぶもの。家で過ごす最後の1年、新しい子犬と過ごす最初の数週間、誰かが引っ越す前の友だち仲間、祖父母とのゆっくりしたビデオ通話。気づいた日にテープを作って名前をつけましょう。終わった日ではなく。
別々のスマホで撮ったクリップも、正しい順番になりますか
なります。テープがクリップを並べる基準は、実際に撮影された時刻です。誰が撮ったかでも、いつアップロードされたかでもありません。だから、ほかの人のスマホからあとで追加されたクリップも、ちゃんと本来の位置に入ります。
スマホの持ち方は関係ありますか
あります。横向きに持ってください。テープはワイド画面なので、縦向きの動画は追加されません。RECからでも、クリップを追加からでも同じです。RECは縦向きを飛ばしますし、クリップを追加では選ぶ画面にも出てきません。撮ったはずのクリップが見当たらないときは、ほとんどがこれです。